正直なところそこまで大きな金額を借りるつもりではなかったですし、これでは事実上の門前払いのため、初めはその銀行の対応が悪いと思っていたのです。
しかしその後も別の銀行に行って話を聞いてみても、ほとんど変わらない内容で渋る表情を見せられました。
事業に自信はあると述べても、それだけではどうにもならなかったわけです。
ここが、私が未熟ゆえの失敗点でした。
プロパー融資は銀行から直接融資をする、つまりはもし融資先が返済不可に陥ってしまえば全額が銀行側の損失となります。
どこかが間に入って一定金額を保証してもらえる仕組みもなく、その上で限度額までないと来れば、余程の実績と信頼がなければ融資など受けられないのです。
当時の私はまだ経営者としてもタマゴのような立場で、早く事業を成功させて拡大したいという願望に囚われてしまっていました。
ただでさえリスクのあるお金の貸し方を、そのような目先のことに焦っている人間にしてくれるわけがありません。
この厳しさは、ダメ元で審査を受けたときにもまざまざと痛感しました。
それはとにかく審査期間が長く、徹底的に洗われているような感覚になったからです。
申請から3週間ほどが経っても結果が来なかったときには、忘れられているのではと思ったくらいでした。